GDPと税収 2011 10 15

 欧州の先行きは厳しいと見ています。
欧州版の「失われた10年」の始まりになるかもしれません。
 GDPが、A、B、C、Dの四つの要素で構成されると仮定します。
単純に、Cを削減しただけでは、GDPの規模は縮小し、
税収は、GDPに比例すると考えられるので、
結果として、税収減となります。
 要するに、税収増を希望するならば、
GDPの規模を拡大させる政策が必要になるのです。
 諸般の事情で、どうしてもCを削減したいならば、
大胆な規制緩和でBを活性化させてBの規模を大きくさせるか、
減税でAを活性化させてAの規模を大きくさせるか、
何らかの対策を打つ必要があります。
 無策ならば、Cに引きずられて、
AもBも縮小していく可能性があります。
 このような視点で、欧州を眺めると、
欧州版の「失われた10年」が始まるだろうと思えるのです。
 もちろん、アメリカも似たようなことを実施する懸念がありますので、
アメリカ版の「失われた10年」の可能性もあります。

歴史は繰り返す 2011 10 9

書名 ドル暴落後はこの外貨で儲けなさい
著者 中丸 友一郎  徳間書店

 著者の癖なのか、書名は週刊誌ようなタイトルですが、
中身は、政治経済の本となっています。
 さて、このサイトでは、何度も掲載していますが、
「1937年恐慌」のことを書きましょう。
 恐慌というと、「1929年恐慌」を連想しますが、
実は、「1937年恐慌」を注目すべきです。
 当時のアメリカ経済は、1934年から好転し始め、
1937年まで景気回復が続いたのです。
 そこで、ルーズベルト政権は、
ニューディール政策によって膨らんだ財政赤字を削減すべく、
増税に踏み切り、財政再建路線に転換したのです。
FRBも金融引き締めに転じました。
 だが、これは明らかに誤りだった。
景気は再び急速に悪化し株価は暴落しました。
 その後の世界史が、どうなったか、
それは、皆さん、よく知っているでしょう。
1937年から1945年までの歴史です。
 それでは、視点を現代に戻しましょう。
この本から引用すると、
「2010年6月のカナダ・トロントサミットで、
それまで各国で同時採用されていた、
積極的な財政・金融政策の継続合意が見送られたのだ。
 むしろ各国は、2013年までに財政赤字を半減させるという
財政健全化策に合意したのだった。
 明らかに、景気刺激策を継続する姿勢から、
財政健全化を重視する方向に、各国が軸足を移し始めた。
 ギリシャ危機のショックの後遺症が大きい欧州に、
G20各国が押し切られた形だった」
 一方、アメリカは、どうなったか。
「共和党躍進の原動力となったティー・パーティーなど、
保守層を中心とする財政健全化や小さな政府への動きは、
米国でも無視することができない。
 このような困難な環境下にあっても、オバマ政権は、
2012年の再選を目指して、
雇用拡大を重視する政策の実施に一段と腐心してくるものとみられていた。
 しかし、この期待は、2011年8月に見事に裏切られた。
明らかに、オバマは、雇用、経済成長よりも、
急激な財政赤字の削減を目指し、
大幅な財政支出の抑制を議会とともに合意し、
そのような法案に署名したのである」
以上、引用。
 「さあ、大変だ」と、投資家たちは思ったかもしれません。
「どうみても、1937年恐慌のことを連想する。
あの時の経緯と同じような歴史を繰り返すのではないか。
とりあえず、丘の上に逃げた方がよいのではないか」
(丘の上へ逃げるとは、欧米の比喩的な表現で、
要するに資金を安全資産へ移すということです)
 さて、今後10年、どうなるか。
これは、未来の世界史となりますが、予想してみてください。
賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。























































































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